リカマンタイムズ

NAOTAKA
2026/09/18 12:01

【Part9】プレスキール訪問記


みなさん、こんにちは!リカマンTOWNのNAOTAKAです😊

前回に引き続き今回も記事を担当させていただきます。
今回訪れたのは、初訪問となるプレスキール・ワイナリーです!

■ 初めて訪れたプレスキール

いろいろ試飲して最初に感じたのは、今の有名カリフォルニアワインの価格を考えると、非常に競争力があるということ。
もちろんピノ・ノワール、シャルドネも素晴らしいのですが実際にここへ来てみると、このワイナリーの面白さはそれだけではありませんでした!
ソーヴィニヨン・ブラン、アリゴテ、ガメイ、シラー、さらに現地ではネッビオーロまで!
本当にいろいろな品種を造っていました!

それぞれに個性がありながら、共通して感じるのは重すぎないこと。
果実味はしっかりあるけれど必要以上に濃くなく、酸がきれいで、果実そのものの輪郭がはっきりしている。
カリフォルニアらしさはありながら、それだけに寄りかからない。
このバランスがとても印象に残りました。


■ デュジャックのジェレミー・セイスが出した答え


造りの話も興味深かったです。
オーナーはブルゴーニュの名門ドメーヌ・デュジャックのジェレミー・セイスとは昔からの知り合いで、現在はプレスキールのコンサルもしてもらっているそう。
デュジャックといえば全房発酵(ブドウを茎ごと発酵させる製法)でも知られる造り手。
当然、ここでも全房を勧めるのかと思ったら、現地で聞いた話は逆でした。

「プレスキールは除梗した方がいい」

そのアドバイスを実際のワイン造りに取り入れた結果、しっかり除梗することで、ブドウそのものの果実味が非常にピュアに表現されていると感じました。
自分の成功パターンをそのまま持ち込むのではなく、その土地とブドウを見て答えを変える。
全房発酵で世界的に知られるジェレミーが「ここでは除梗」と言ったことに、むしろ彼の凄さを感じました。

■ ワインだけではわからなかったこと

プレスキールを理解するには、ワインだけを見ていても足りませんでした。
ここでは料理にもかなり力を入れていて、この日はオーナー自ら料理を作り、歓迎の宴を開いてくれました!
チキンや豆腐の唐揚げなどをつまみながらワインを飲み、みんなで同じテーブルを囲んで時間を過ごす時間。
決して特別に気取った料理ではないからこそ、ワインが食事の中に寄り添ってくれるのがよく分かりました。
果実味はありながら重すぎず、酸もきれいなので、料理と一緒になるとさらに良さが見えてくる!


オーナー自ら料理を作り、ワインを開け、人を迎える。
普段ここを訪れるお客さんのことも、きっとこんな感じで迎えているんだろうなぁ。
立派な建物や設備だけではわからない、このワイナリーの人柄のようなものまで感じられた時間でした。


■ 「ヌーヴォーだけがガメイじゃない」

中でも面白かったのがガメイです。
ガメイと聞けば、多くの人が最初に思い浮かべるのはボジョレー・ヌーヴォーですよね。
だからこそ、このワインはあえて11月に飲んでほしいです!
一年で最もガメイという品種に注目が集まる季節に、カリフォルニアで造られたプレスキールのガメイを飲む。

「ヌーヴォーだけがガメイじゃない」

そんなことを改めて感じさせてくれる一本でした。

ちなみに今回同行いただいたのは、ミシュラン三つ星「ロオジエ」のソムリエで、『グランメゾン東京』のワイン選定・技術監修も手掛けた成澤亨太ソムリエ⭐

数多くの料理とワインを見てきた成澤さんからも、このフードフレンドリーなスタイルに太鼓判をいただきました。
自分が感じていた料理との距離の近さを、プロの視点からも評価されていたのが嬉しくなりましたね。

■ ガソリンスタンドから始まった壮大な物語

ワインの話だけでも十分面白いのですが、このワイナリーの成り立ちを聞くと、さらにスケールが大きいんです!
現地で聞いた話では、オーナーの家系はお爺さんの代からガソリンスタンド経営で財を築き、そこからこのワイナリーを造ったそう。

そして今、広大な敷地には高級ホテルまで建設しているという。

ワインを造って。飲んでもらうだけじゃない。
料理があり、人が集まり、ここで時間を過ごし、やがては泊まることまでできるようになる。
ワイナリーという枠を超えて、この土地そのものを一つの世界にしようとしているように見えました。


目の前には畑が広がり、その先では新しい建物が建設中。
何年、何十年という時間で育てていくブドウと、これから完成していく新しい場所。
その両方が同時に存在している景色を見ていると、プレスキールはまだ完成したワイナリーではなく、今も大きな構想の途中なんだなぁと実感しました。

■ カレラ、オー・ボン・クリマ、そしてプレスキール

カリフォルニアには何度も来ていますが、こういう場所を訪れると、まだまだ知らないワインの世界があると思わされます。

カレラやオー・ボン・クリマと比べれば、日本での知名度も歴史もこれからです。
ただ、今の著名なカリフォルニアワインの価格を考えながら実際にここで飲んでみると、プレスキールにはこれからが楽しみになる何かがある。

ピノ・ノワールやシャルドネだけではない。ソーヴィニヨン・ブラン、アリゴテ、ガメイ、シラーまである。
その背景にはデュジャックのジェレミー・セイスとのつながりがあり、料理を大切にする考え方があり、オーナー自ら客を迎える。
そして、その先には広大な土地と、これから完成するホテルまである。

最初はワインを見に来たつもりでした。でも帰る頃には、この場所がこれからどうなっていくのか、その未来の方が気になりました。

カレラ、オー・ボン・クリマ、そしてプレスキール。

数年後、この名前がどんな存在になっているのか。
もう一度この場所に立って、その続きを見てみたいと感じました。

■ 『サイドウェイ』の舞台で、夢のような夜

ワイナリーを後にして、この日の時間はまだ終わりませんでした。
夜はオーナーたちと一緒に、映画『サイドウェイ』で有名になった「The Hitching Post II」へ。
ワイン好きなら、この黄色い看板を見ただけでピンとくる人もいると思います!

ここで待っていたのが、めちゃくちゃ美味しいステーキと、カリフォルニアのオールドヴィンテージワイン。

1977年のデリンジャー カベルネ・ソーヴィニヨン
1978年のマウント・ヴィーダー カベルネ・ソーヴィニヨン
1994年のデイヴィッド・ブルース ロシアン・リヴァー・ヴァレー ピノ・ノワール
そして、2007年のラング&リード「Two-Fourteen」カベルネ・フラン

特にこのカベルネ・フランが面白かったです。

カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールの古酒に出会うことはあっても、これだけ熟成したカリフォルニアのカベルネ・フランを飲む機会はなかなかない。
しかもTwo-Fourteenは、ロワール由来のクローン214から造られる100%カベルネ・フラン!!
2007年はこのワインが始まった最初のヴィンテージ!!

目の前には豪快に焼き上げられたステーキ。
その横には、20年近いものから半世紀近いものまで、長い時間を瓶の中で過ごしてきたカリフォルニアワイン。

昼間はこれからのプレスキールを見て、夜はカリフォルニアワインが歩んできた時間を飲む。

新しい世代のワイナリーを訪れたその日の夜に、1970年代から2000年代までのカリフォルニアをグラスの中で旅する。
しかも場所は『サイドウェイ』の舞台になった店。

ワイン好きとしては、ちょっと出来すぎなくらいの一日でした。

美味しいステーキとオールドヴィンテージ。過去のカリフォルニアを味わいながら、昼間に見てきたプレスキールの未来を思う。

本当に夢のような時間でした。


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